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2019  13:50:00

「SHIROBAKO」を観た私は、京アニ放火事件をより深く悲んでしまう #prayforkyoani #京アニ

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2019年7月18日に起きた京都アニメーション放火事件は「放火事件としては平成期以降最多の死者数」と言われ、アニメ業界への関心の有無にかかわらず日本中、世界中の人を震撼させました。

京都アニメーション放火事件

京都アニメーション第1 スタジオに男が侵入して ガソリンを撒いて放火したことにより、京都アニメーションの関係者に多数の死傷者が発生した。 7月27日21時時点で死者は35人に上り、 警察庁によれば「放火事件としては 平成 期以降最多の死者数」となった。 2019年7月18日の午前10時半ごろ、京都アニメーション第1スタジオに当時41歳の男が侵入、ガソリンを建物1階や従業員などにかけ ライター

この事件が生み出したアニメファンの悲しみの大きさは計り知れず、ましてご遺族のお気持ちはお察しすることすらも私には不可能ですが、この記事ではアニメファンとして個人的に感じたことを書きます。


私とアニメ


私はアニメの話となると周囲の人に引かれてしまうこともしばしばのアニメファンですが、特定の作品を熱狂的に好きというよりも、文化、表現方法としてのアニメが大好きといった感じです。
幼少期にアニメ大好きだったことはもちろんですが、小学校高学年〜中学校に上がった頃にはすでに深夜放送のアニメを録画して見たりしていました。
そして今日に至るまで私は一度も日本のアニメから離れた生活をしたことがなく、特にアニメのサブスク配信サービスが開始してからは、文字通り見たい放題。
仕事やプライベートで嫌なことがあっても手軽に別の世界へ現実逃避できるからでしょうか、気づけば同居する親からも心配されるほどにどっぷりと浸かっていました。



私の中の京都アニメーション


特定の作品を熱狂的に好きなわけではないと言いましたが、京都アニメーションくらいになると人気の作品も多く、新しい作品が公開されるたびにワクワク楽しませてもらって、終われば次の作品を楽しみにしてを延々と繰り返し、いつしかそれが当たり前になっていました。
代表作としては連日の報道にもあるとおり「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」「けいおん!」「聲の形」などがあり、あまりアニメに関心の無い人でも一つくらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?
一昔前は日本の代表的なアニメ制作会社と言えばスタジオジブリでしたけど、今では京都アニメーションもそこに並んでいると私は思います。
近年ではヒット漫画や小説をアニメ化するだけでなく、自社レーベルのKAエスマ文庫で原作からアニメ制作まで全体をカバーしている作品も多くなっていますし、それってなかなかできることじゃないと思うんですよね。
美味しいごはんを食べようという時に「まずは美味しい米を開発するところから!」とか「そのためには良い土壌をつくるところから!」みたいな、気の遠くなるようなスケール感です。でも、そうすることで作品の枠を超えてあの独特の味、京アニ感がより色濃く出るのだなと改めて思います(もちろん人気作のアニメ化でも京アニ感はきちんとある)。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」なんかは、子供が見てもきっと伝わるシンプルで力強いストーリーかつ、映像はキャラクターの髪の毛の一本、瞳の中にある一瞬の表情一つ取っても素晴らしく、本格的に「芸術」と呼べるものです。
テレビでの放送より半年か1年ほど前に流れたCMそのものにさえ感動したレベルです。

これが、本編ではなく、CMです。
作中に出てくるカットの編集でもないし、今見ても息を飲むようなクオリティです。
そして、これが京アニの本気なのだと受け取りました。
このCMで告知されているテレビシリーズが素晴らしかったことはもちろんですが、この夏公開予定とされていた劇場版「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -」もほぼ予定通りに公開するということなので絶対に観ます。絶対にです。




京アニ放火事件をより深く悲しんでしまう理由


これほど京都アニメーションが好きで普段から気にかけて見ていれば、やはりそれだけで今回の事件はすごく悲しいに決まっていますが、より深く悲しむことになってしまったことには理由があります。

「SHIROBAKO」アニメ制作の現場のことを知ったことで身近に感じてしまった


ほんの少しでも「現場のことを知った」なんておこがましい話なのですが、「SHIROBAKO」(制作:P.A.WORKS)は、アニメが作られる過程や、関わる人、業界あるあるの問題など、アニメ制作の現場を舞台にしたお仕事ものアニメ作品で、この作品を観てから、アニメ制作の現場を少し身近に感じるようになりました。

TVアニメ「SHIROBAKO」公式サイト


私は「SHIROBAKO」を観るまでは、アニメは「どこか遠い世界で作られたものが空から降ってくる」ような感覚で、ただただ与えられたものを享受するだけの「天の恵み的」な存在でした。
それが、観てからは一変、放送中のテレビアニメに総集編が入れば「万策尽きた(制作が放送に間に合わなかった)のかな…」と思いをはせ、手間のかかったであろうシーンを見る度に「これは監督のわがままなのかな?」「いったい何人の人が手を動かしたのかな?」などと、アニメの向こう側にいる"中の人"のことをよりリアルに想像するようになりました。
あまり意識したことはありませんでしたが、それまでとは全く違う感覚でアニメを観るようになっていました。

どうしても重ねてしまう


作品の舞台は架空のアニメ制作会社「武蔵野アニメーション(ムサニ)」。
群像劇のような感じで、登場するキャラクターはかなり多め。一見デフォルメされているようでいてとてもリアルなキャラクターがたくさん出てきます。
フィクションなので脚色されているとは思いますが、中には実際にモデルが存在しているキャラクターが多いという説もありますよ。

SHIROBAKOのモデルって誰?誰がモデルになってるのか調べてみた | TiPS | 漫画・アニメがもっと楽しくなる情報メディア

アニメーション業界の今を描いたアニメ「SHIROBAKO」このアニメには実在する人物をモデルとしたキャラクターが多数存在します。そんなキャラクターのモデルの方々の解説を交えながら紹介していきます。 出典: https://www.google.co.jp ...



こういった実存する人の噂や、これまでのアニメ史上で物議を醸した作品、人づてにたまに聞く現実のアニメ制作現場の実情などを踏まえると「普通にこういう(困った)人いそう…」とか、「その人に振り回されてる人いそう…」とすごくリアルに感じました。初めて観た友人の感想が「なにこれ、ただの実話じゃん…」ということもあったくらいです。
とてもお気に入りの作品なので、何度も何度も見直して「こんな人たちがこんなにたくさん関わって、全身全霊で1つの作品を作っているんだな」を、そのまま実在する他の色々な作品を見る時に重ねて思い出すようになっていました。

今回の京アニ放火事件では、スタッフさん達が35人も亡くなっており、私はどうしても、亡くなった人の中にはムサニのスタッフみたいな個性豊かな人達がいて、彼らと一緒に仕事していた人が業界にたくさんいて、活動を支えていた家族がいたことをリアルに考えてしまいます。
京アニという箱は無くなっていませんし、無事だった方もいらっしゃいますが、失われた中の人たちが丁寧に紡いでいたものは、途絶えてしまいました。
遠く離れたところで暮らしている、こんなにちっぽけな私のところにもしっかりと届いていた彼らの渾身の作品がもう二度と新しく生まれないのだと思うと悲しくてやり切れません。

「SHIROBAKO」を観たからこんな気持ちになってしまうなんて、P.A.WORKSをはじめ関わった人たちにはすごく失礼になってしまうかもしれませんが、そのくらい私に大きく影響していた素晴らしい作品です。
決して悲しい思いをする人を増やしたいというわけではありませんが、ただただアニメの尊さを知ってほしいという意味で、これからも多くの人に観てほしい作品です。



アニメは業界全体で育まれている尊い文化ゆえ、失ったものも文化そのもの


「SHIROBAKO」では、ムサニで請け負った作品の制作を通して具体的な制作過程や、業界に入ったばかりの5人の女の子達の成長、アニメ業界人のアニメに対する愛や取り組み方などを観ることが出来ます。
観ていて驚いたのは、アニメ業界がとても狭い世界で、まるで業界自体が一つの会社かのように、たくさんの小さな会社やフリーランスの人たちが協力し合って、一つの作品を作っているのだということです。
そうして昔から脈々と、作品ごとに色々な会社、人材でプロジェクトメンバーを組んで回していれば、知識も技術もクオリティも、そして作品自体も、業界全体で育まれたと言っても過言ではないなと思います。
終始知識のソースが全てフィクションのアニメ作品からなので「え、違うけど?」と言われるとそこで終わりなのですが、色々な作品のエンドロールを見ても、事実に基づいて描かれていることは明らかです。

最終回「遠すぎた納品」で主人公宮森あおいが、作品完成の打ち上げパーティで行ったスピーチにアニメ業界全体のことが凝縮されて語られているなと思ったのでセリフを引用しておきます。
物語を考えたり、キャラクターを描いたり、さらにそれを生き生きと動かしたり、それから演技や、音楽や…もうほんといろんな人の、いろんな力、才能が加わってくださって「三女」(「第三飛行少女隊」)が出来たんですよね。そして、その直接的な繋がりだけじゃなくて、間接的なこと…過去からとか別の作品や会社から受け継がれてきたこともあるわけで、それを含めたら何十万人という人、何年、何十年という時間が注ぎ込まれて、観てくれる人の感想や思いも全部合わさって、アニメは出来上がっているんだなと。

京アニは多くの工程を自社で請け負える力のある制作会社と聞いており、これは業界ではだいぶ珍しい方なのかもしれませんが、では外部と繋がりが無いのかといえばそうでは無いでしょう。仮に動画をつくる根幹のメンバーがそうだとしても、きっと多くの人が他社からやってきて京アニに所属したり、京アニ作品で力をつけて今は別の場所で頑張っているのだと思います。
そういう意味で、この度失われたものは人の命だけでなく日本のアニメという文化そのもので、今後も積み上げられ影響し合って広がっていくはずったものを考えれば、言葉にするにはあまりに大きすぎます。


いちファンとしてただただ辛いです。
今でも嘘であってほしいと思っていたりして、現実を受け入れられていません。



募金先


失われたものに対して私たちができることは本当に限られていますが、京アニでは募金先を案内しています。
募金しても良いという方はこちらのページをチェックしてみてください。

京都アニメーションホームページ

7月18日(木)に発生いたしました事件につきまして、世界中の方々からご支援のお声を頂戴いたしております。厚く御礼申し上げます。 弊社としても、再建を目指して最善の力を尽くしていく所存にございます。 そんな折、弊社に寄り添いたいという皆さまからの数多くのお声を受け取り、この度、弊社にて支援金の預かり口座をご用意させていただく運びとなりましたので、お知らせさせていただきます。 支援金につきまして、各方面より大変多くのお問い合わせをいただいております中、ご案内が遅くなりました事、お詫び申し上げます。 <株式会社京都アニメーション 支援金預かり専用口座> 銀行名 京都信用金庫 銀行コード 1610 支店名 南桃山支店 店番号 048 口座種別 当座預金 口座番号 0002890 口座名義 株式会社京都アニメーション 代表取締役 八田英明 ※ 表示名「カ)キヨウトアニメーシヨン」




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